大学生の本100冊アウトプット

本を読まないと言われる大学生のひとりとして、100冊アウトプットしてみようと思い始めました。

No.65 砂嵐に星屑

 

砂嵐に星屑

著者:一穂ミチ

おすすめ度:★★★★☆



他人の考えていることを知り得ないというのは当たり前のことだけれど、普段そのことについて意識できているだろうか、と思う。

 

テレビ局で働く人たちが、それぞれ複雑な思いを抱えながらも自分らしく生きていくというお話。こうして簡単に文章にはできてしまうけれど、改めて人には人の地獄や葛藤があるなと感じた。

 

連作短編集だけれど、特に好きだったのは2番目のおはなし。周りの同期が次々に早期退職する中、自分はこの仕事を続けていて良いのだろうか?やりたいことがないままこんなところまで来てしまったけど、これから自分はどうしたい?50代のおじさんのお話だったけど、年代に関わらずこの疑問が響く人は多いと思う。

 

『誰かていろいろあるがな、なあ。ここで休憩してまた頑張りや、身体さえ健康なら何とでもなるんやで。』私もこんな言葉を何気なくかけてもらいたい。

 

生きていくって小さい頃思っていたよりずいぶん大変だけど、助けてくれる人も必ずいる。この先もそういうひとに出会うために生きて、助けられながらなんとかおばあちゃんになれた時には悩んでいる若いひとにこのような言葉をかけてあげられたらいいなと思う。