No.78 死神の精度

死神の精度
著者:伊坂幸太郎
おすすめ度:★★★★★
会社員になって一年が経とうとしている。
大人になってから、一年間という単位がとても短く感じるようになった。これは「ジャネーの法則」というもので証明されているらしい。
それはそうと、今年度は本を読んでいる時間があまりなかったというか、読んでも感想をどう書いていいか、難しいものが多かった。
この「死神の精度」もそうである。
あまりにも面白かったので、自分が感想をうまく書けないのではないか、と心配である。
それくらい面白かった。
題名の通り、この本には死神が出てくる。
その名前を「千葉」という。死神には何かしらの地名の名前が割り当てられるそうだ。また、死神は音楽をこよなく愛するらしい。
死神は担当する人間を7日間見守り(接触し)、8日目に「可(死ぬ)」か「見送り(死なない)」かを決める。
ただし、自死や病死の時には死神は現れない。
『死ぬというのは、そういうことだろ。生まれる前の状態に戻るだけだ。怖くないし、痛くもない』というのが、千葉の考えらしい。
私たちには死んだ後のことはわからない。ただ、死ぬ直前に千葉みたいな死神に出会えたらラッキーだな、と思う。
死神シリーズは「死神の浮力」という作品もあるので、読むのが楽しみ!
こんな人におすすめ!
・死ぬのが怖い人
・死神の生態を知りたい人
・とにかく面白い伊坂作品を探している人
No.77 止まりだしたら走らない
止まりだしたら走らない
著者:品田遊
おすすめ度:★★★★☆

いつのまにか大学生活も終わり、無事に社会人になった。そのため、ブログのタイトルもちょこっと変えた。
ずっと読んでみたかった本。
オモコロのライターであるダ・ヴィンチ・恐山という方が、作家として品田遊を名乗って本を書いているのである。
今回は数作の中でも、「止まりだしたら走らない」といういやそれ逆!な題名の本を近くの図書館で借りてみた。
電車にまつわる短編がいくつか入っているが、その中でも「苺に毛穴」という話が印象的だった。苺の種子はたしかにじっとみていると気味が悪いが、作者は他にも「よく見ると気持ち悪い」物、たとえばもつ煮、刺繍の裏地、うろこ雲、キノコなどを挙げており、観察力の鋭さやそれを言葉で表現できる能力が垣間見える。
今までオモコロチャンネルをよく見ていて、オモコロの記事はあまり読んでこなかったため、これを機会に恐山の記事を読んでみようと思った。
こんな人におすすめ!
・電車のお供の本を探している人
・色々な話が読みたい人
・細かい描写を味わいたい人
No.76 愛されなくても別に
愛されなくても別に
著者:武田綾乃
おすすめ度:★★★★★

暇である。やらなければいけないことはあるのに暇である。
例の如く、ブックオフにぶらぶら出かけて本を5冊も(5冊も‼️)買ってきてしまった。
そのうちのひとつ。
なんだか表紙が若い子向け(まあ自分も若い子に入るのかもしれないけど)な気がして手に取ってこなかったけど、パラパラめくって読んでみたらその読みやすそうなこと。
帰ってきて、時間を忘れて3時間くらいぶっ続けで読んで読了。
家庭環境に問題を抱えた女の子ふたりが出会って、愛ってなんだ?という問いを抱えながら一緒に暮らすという内容。
私はこんな壮絶な家庭環境ではないけど、こういう風に寄り添ってくれる友だちがいたらどんなにいいか、と思う。
友だちがいないわけではないけど、どこまで踏み込んでいいのか、どこまで打ち明けていいのか悩む人は多いと思う。
このふたりは、もう隠すものがないほどの話を最初にしてしまっているからこそ、悩むことなく相手と接することができたのかなあと思う。
あとがきでも書かれていたけれど、家族から愛されていなくても自分から誰かを愛することができれば孤独から抜け出すことができる気がする。家庭環境が全てじゃないことを教えてくれる、視野を広げさせてくれる小説なので、ぜひ読んでみてほしい。
こんな人におすすめ!
・家族とうまくいっていない人
・大学生の女の子
・一気読みできる本を読みたい人