大学生の本100冊アウトプット

本を読まないと言われる大学生のひとりとして、100冊アウトプットしてみようと思い始めました。

No.73 まず牛を球とします。

まず牛を球とします。

著者:柞刈湯葉

おすすめ度:★★★☆☆



SF短編集。柞刈湯葉さんの本ははじめて読んだけど、表題作の「まず牛を球とします。」と、もうひとつ「犯罪者には田中が多い」がとくに面白かった。

 

動物を食べることは倫理的に良くないこととされた近未来において、牛のDNAを用いて「牛球」を作っている工場で働く男性のお話。

日本でも、将来このように「牛肉を作る」時代が来るんだろうか?

 

また、この世界では人々が緑色、縞模様、青色など様々な外見をしている。

 

題材としてはおもしろおかしい話ではあるけれど、生命とは何か?多様性とは何か?を考えさせられる、貴重なSFだと感じた。

 

・SFが好きな人

・いつもと違う感じの本が読みたい人

・ワクワクしたい人

におすすめ!

 

 

No.72 サキの忘れ物

サキの忘れ物

著者:津村記久子

おすすめ度:★★★★☆



津村さんの小説、初めて読んだけどおもしろかった!ポップに「共通テストにも出題」って書いてあって、カバーもかわいかったので買ってしまった。本屋さんの戦略(デジタル化で紙の本がなくなるの辛いのでどんどんやっていただきたい)。

 

表題作を含め8編入った短編集で、日常っぽい内容のものもあればSFっぽいものもあって、文庫本でこんなに楽しめるとは〜!

 

表題作、主人公の名前が「サキ」なのかと思ったら主人公は千春ちゃんで、違った。この千春ちゃんがとってもいい子で、「わかる、いろいろあるよね」と共感しまくりだった。心の中の描写が丁寧で、落ち着く感じも良い。

 

・ひとつの本でいろいろ楽しみたい人

・不思議なお話も読んでみたい人

・リラックスしてる時のお供の本を探してる人

におすすめ!

 

 

No.71 たゆたう

たゆたう

著者:長濱ねる

おすすめ度:★★★★★



よかった。とてもよかった。

文庫版を買ったけど、この本を手放すことはないと思うくらいよかった。

 

最初にまえがきがあるけれど、そこから共感の嵐!ねるちゃんは意外と(?)ネガティブなのである。

 

前々からかわいくておしゃれな子だなと思ってInstagramをフォローしていたけど、このエッセイを通して「人にしてもらったうれしいことや言われて感動したことを記憶しておける、記憶しようと工夫することができる」人なのだと認識できて、人間としても素敵な人だなと感じた。

あと、失敗談を素直に書けるおちゃめなところも好き!

 

大人になるにつれて涙もろくなったのか、この本を読んでる時に何回か涙が出てきた。そういえば、どこかのだれか(何?)が「子どもの時に映画や小説で泣かないのは当たり前。経験を積んだ大人だから共感することに泣ける」と言っていて確かにと思った。少しずつ大人になっているのかもしれない。でも、心が弱っている時には「こんなにつらいなら大人になんてなりたくない!」と思うくらいまだ子どもでもある。笑

 

ねるちゃんとは同年代なので、今後の活躍も楽しみ。どういうふうにお仕事をしていくか悩んでるみたいなことも書いてあったけど、個人的にはねるちゃんのエッセイ大好きなので、また読みたいです。

 

・長濱ねるを知っている人にも知らない人にも

・一息つきたい時に

・おうちでゆっくりしたい時に

おすすめ!