光のとこにいてね
著者:一穂ミチ
おすすめ度:★★★★☆
自分以外の、唯一無二の存在がいることはどんなに心強いだろうと思う。
この人のためならなんでもできる。自分を犠牲にしているという感覚すらないのはどんな感じなのだろうか。
光のとこにいてね、と言った側が家族も何もかも手放そうとした時に、その唯一無二の存在が光に照らされながら一生懸命迎えに来る様子が見えるところの描写がとてつもなくよかった。
パッヘルベルのカノンがこの本の中でちょくちょく出てくるので、今わたしもこれを書きながら聴いている。
「カノン」というのは一つのメロディを、複数のパートが追いかけるように演奏していく演奏様式の事らしく、終わろうとしなければいつまでも続かせることができる。
このふたりの関係性が、途切れながらもいつまでも続くことを示す音楽だったら嬉しいなと思う。