教室に並んだ背表紙
著者:相沢沙呼
おすすめ度:★★★★☆
買おうかどうしようか悩んでやめた本だったんだけれど、学校図書館の新刊本コーナーに並べられたまっさらな本たちの中にこの本を見つけて、速攻で借りた。大好きだぜ、学校図書館……
学校生活の中で何かしらの悩みを抱えている女子中学生が主人公の連作短編集。
どのお話にも、「しおり先生」というお茶目な図書室の先生が出てくるのだけれど、この先生がいい味を出しているのだ。
『先生は、自分が過ごした灰色の青春を、少しだけ誇らしく思う。辛くて苦しい十代を過ごした経験があるからこそ、できることって、きっとあるんだ。』
この言葉、けっこう救われる人がいるのではないかなぁ。
この本に出てくる女の子で、物語に救われる子がいるように、私はこの本に、灰色とまではいかないけれど、そこまでキラキラしていなかった中高時代を、それでも大丈夫だよ、と言われた気がした。
どれだけ暗い色でも、これからその上にラメラメをトッピングしていけるような人生であるならば、いいと思うのだ。
本が好きな子や、学校生活に悩む中高生に読んでほしい!