街とその不確かな壁
著者:村上春樹
おすすめ度:★★★★★
ひさしぶりにブログを書く。
最近は就活や実験が忙しくてぜんぜん本を読む気になれなかったけど、気分転換に大学の図書館に行ったら村上春樹の新刊があったので借りてみた。
久しぶりに読んだ本がこれで良かった。どのくらい良かったかというと、小説を読むのってこんなに楽しいことだったんだな、と思い出したくらい。しばらくの間、この続きを読むというご褒美を作って生活を頑張れていた。
話は変わるけれど、よく頭の良い人には2種類いると言われる。ひとつは、頭が良すぎて理解できていない人のことを理解できない人たち。もうひとつは、頭が良いために理解できていない人の理解度を理解して理解できるように説明できる人たち。(理解、理解、理解…)
この本は、生と死、本体と影、壁の内側と壁の外側、夢と現実、などが奇妙に入り組んでいる。しかし、読者が置いていかれることはない。なぜなら、主人公でさえもそれらの様々なことが入り組んでいる世界で、自分が今どんな状況なのかということに対して一緒に困惑してくれるからだ。
そういう意味でとても優しく、また文体が静かで、淡々と進んでいく感じはいつのまにか心を落ち着かせてくれる。それでいて読みやすく、話がどういうふうに進んでいくのか気になって仕方がない。
村上春樹の小説は前にノルウェイの森を読んだことがあるけれど、もう忘れてしまったのでまた読みたい。この間ブックオフで海辺のカフカもゲットした。また生活の楽しみができた。
個人的には寒さの厳しい冬に暖かい部屋で読むのがぴったりだと思う。何故かは、読んでみたらわかると思う。
・気分を落ち着けたいひと
・現実を忘れて読書に没頭したいひと
におすすめ。