星の子
著者:今村夏子
おすすめ度:★★★★☆
芦田愛菜さんが主演で、映画化されたこの作品。
著者の本は、はっきり言ってしまうと今までは自分にとって読みにくかった。
でも、芦田さんがこの作品のインタビューを受けた時に、
「信じる」ことについて深く考えた作品である。誰かを「信じる」ことというのは、その人の側面的な部分が見えた時に、それもこの人なんだと受け止めることが信じることなのかな、と思った
という答え方をしていて、「信じる」ことについてこんな答えを引き出せる物語があるとすれば、読まなければならない!と謎の使命感を感じて、この本を読んでみようと思った。
両親が、体の弱い自分のために「力のある水」の効力を信じて、それ中心の生活を送る中、主人公は成長していく。
両親からは十分な愛情を受けていたが、それゆえに主人公の心は自分の中の「両親が妄信している水」に対する懐疑心と、両親を信じたい気持ちの間で揺れ動く。
最後、両親と主人公が流れ星を見るシーンで終わるのだけれど、いろんな解釈ができる終わり方で、読む人の心にそれぞれの余韻を残すと思う。
家族って、やっぱりかけがえのないもので、どんな形でもやっぱり家族なんだなぁ、と思うことができた。
読む価値あり!!の本である。