図書室で暮らしたい
著者:辻村深月
おすすめ度:★★★★☆
今は少し休んでいるけれど、
アルバイトをしている。
ある時お疲れ様です〜と言って、
出勤のカードをピッとするところへ向かって歩いていたら、1人の女性社員さんに
「ボタン外れてるよ」
とベストを指差された。
その言い方が少しきつめだったので、
多分びっくりして覚えているのだと思うけれど、
きつく言われた分、
仕事をするときは身だしなみが大切なのだなあ、
と実感した。
このエッセイの中に、こんな素敵なエピソードがあった。
著者が就職活動中に友人と入った喫茶店で、
友人がお手洗いに立った際、
隣の席のマダムが「ご友人のスーツの仕付け糸がまだ付いているから、あなたが切ってあげるといいわよ」といったそうである。
見ず知らずの人のために、おそらく少し勇気を出して、本人のいないところで言うというこの素敵な心遣い。感動した。
これは、身だしなみというより、
友人が恥ずかしい思いをしない様に、
という配慮だったと思う。
私は人に注意することが苦手なので、
こんな風にやんわりと指摘してくれたら、
きっとまた違う意味で心に残るのだろうなあ、
と感じた。