大学生の本100冊アウトプット

本を読まないと言われる大学生のひとりとして、100冊アウトプットしてみようと思い始めました。

No.60 ざらざらをさわる

 

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ざらざらをさわる

著者:三好愛

おすすめ度:★★★★★

 

今私は悩んでいる。

どう書いたらこの本の良さが伝わるのだろうか。

 

いつだったか、三宅香帆さんの書評の本で、「私のことが書いてある、と思い、びっくりした」と評されていた本があった。なんの本だったかは忘れたけれど。(忘れたんかい)

 

 

私にとって、この「ざらざらをさわる」という本は、「私のことが書いてある」本である。

というか、誰にとっても「これって私じゃん!」と思うようなことが、書いてあると思う。決して一般的なことが書いてあるのではなく、「こういうちょっと変わったことをしてたな」とか、「たしかにこんな風に思ったことあったな」とか。

全く知らない人なのに、どこか通じる部分があると、妙に嬉しくなってしまうのである。

 

 

著者はイラストレーターで、この本はエッセイである。挿絵は著者のイラスト。

 

「逃せない」と題された一編では、ポテトチップスを塩辛さの限界が来るまで食べ、その後飲む飲み物への喜びを高める、という内容が書いてあった。

 

これと似たようなことで、私がたまにしてしまうことがある。

 

自分でも変だと思うけれど、本屋さんや洋服屋さんでパッと目に入った「読みたい!」「かわいい!」というものをあえて手に取らず、とりあえず近くのものを見ながらじりじり近づいていく、ということである。でも、意識は手元ではなく向こうの「気になるもの」のほうにある。

 

なぜこんな面倒くさいことをしてしまうのか。と考えたとき、「貪欲な人に見られたくない」ということが挙げられるかもな、と思った。

 

なんとなくだけど、読みたい本やかわいい服に向かって我先にと向かっていくと、物欲が強い人みたいに見られるのではないか、と思ってしまうのかもしれない。

 

 

この本を読んで、「人っていうものは、一つの行動に対して、意外と色々考えているのかもしれない」と思った。

 

 

なんだか、不思議な気持ちになれるエッセイなので、現実に疲れた!いつもと違う感覚を味わいたい!という人におすすめ。

 

 

 

No.59 教室に並んだ背表紙

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教室に並んだ背表紙

著者:相沢沙呼

おすすめ度:★★★★☆

 

 

買おうかどうしようか悩んでやめた本だったんだけれど、学校図書館の新刊本コーナーに並べられたまっさらな本たちの中にこの本を見つけて、速攻で借りた。大好きだぜ、学校図書館……

 

 

学校生活の中で何かしらの悩みを抱えている女子中学生が主人公の連作短編集。

 

どのお話にも、「しおり先生」というお茶目な図書室の先生が出てくるのだけれど、この先生がいい味を出しているのだ。

 

 

『先生は、自分が過ごした灰色の青春を、少しだけ誇らしく思う。辛くて苦しい十代を過ごした経験があるからこそ、できることって、きっとあるんだ。』

 

 

この言葉、けっこう救われる人がいるのではないかなぁ。

 

 

この本に出てくる女の子で、物語に救われる子がいるように、私はこの本に、灰色とまではいかないけれど、そこまでキラキラしていなかった中高時代を、それでも大丈夫だよ、と言われた気がした。

 

 

どれだけ暗い色でも、これからその上にラメラメをトッピングしていけるような人生であるならば、いいと思うのだ。

 

 

本が好きな子や、学校生活に悩む中高生に読んでほしい!

 

 

 

 

 

 

No.58 麦本三歩の好きなもの 第二集

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麦本三歩の好きなもの 第二集

著者:住野よる

おすすめ度:★★★☆☆

 

 

2月25日木曜日、発売日にこの本を買いに書店へ行った。発売日に買うなんて、昔月刊の少女漫画誌を買っていた以来ではないだろうか。

思えばちゃお、なかよし、りぼん、別冊マーガレットなどとともに私は成長してきた。笑

あの頃、発売日の夜はいつも、ご飯ができたと母に呼ばれても漫画に夢中で、なかなか食卓に行けなかった。

何かに夢中だった頃が懐かしい。

 

 

話は脱線してしまったけれど、麦本三歩ちゃん。

相変わらず噛みに噛みまくって、本当に23歳なのか?という感じだったけれど、もうすぐ22歳になり、「麦本三歩の好きなもの 第三集」が出るとすればその頃には私も三歩ちゃんの歳を越しているのだろうなと思うと、しっかりせねば…と思う。

 

 

三歩ちゃんのちょっと考えすぎる部分は、私としては共感できすぎるのだけれど、その分人が気付けない部分に三歩ちゃんは気がつくことができる。

いいことか、悪いことか、それは人によって捉え方次第だけれど、それもアイデンティティであると私は思う。

もうちょっと気楽に生きる三歩ちゃんが見たかったのでおすすめ度は★★★☆☆!

 

 

ところで、新しい本の匂いってなんでこんなにいい匂いなんだろう。図書館の本の古いような匂いも好きだけど、この本、めっちゃいい匂いする。笑

麦本三歩の好きなもの 第二集、本の匂いについて言うとおすすめ度★★★★★だなぁ。