大学生の本100冊アウトプット

本を読まないと言われる大学生のひとりとして、100冊アウトプットしてみようと思い始めました。

No.57 星の子

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星の子

著者:今村夏子

おすすめ度:★★★★☆

 

 

芦田愛菜さんが主演で、映画化されたこの作品。

著者の本は、はっきり言ってしまうと今までは自分にとって読みにくかった。

でも、芦田さんがこの作品のインタビューを受けた時に、

 

「信じる」ことについて深く考えた作品である。誰かを「信じる」ことというのは、その人の側面的な部分が見えた時に、それもこの人なんだと受け止めることが信じることなのかな、と思った

 

という答え方をしていて、「信じる」ことについてこんな答えを引き出せる物語があるとすれば、読まなければならない!と謎の使命感を感じて、この本を読んでみようと思った。

 

両親が、体の弱い自分のために「力のある水」の効力を信じて、それ中心の生活を送る中、主人公は成長していく。

両親からは十分な愛情を受けていたが、それゆえに主人公の心は自分の中の「両親が妄信している水」に対する懐疑心と、両親を信じたい気持ちの間で揺れ動く。

 

 

最後、両親と主人公が流れ星を見るシーンで終わるのだけれど、いろんな解釈ができる終わり方で、読む人の心にそれぞれの余韻を残すと思う。

 

 

家族って、やっぱりかけがえのないもので、どんな形でもやっぱり家族なんだなぁ、と思うことができた。

 

読む価値あり!!の本である。

 

 

 

 

No.56 アンと愛情

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アンと愛情

著者:坂木司

おすすめ度:★★★★☆

 

 

待望のアンちゃんシリーズの新作だったのだけれど、いつの間にか自分の年齢がアンちゃんの年齢をこしていてショックだった。笑

 

 

今回も和菓子にまつわる謎を、みつ屋のみんなで考えるお話が主なのだけれど、アンちゃんが成人したこともあり、みつ屋でのアルバイトを通しての心の中の葛藤が描かれていた。大人になった証拠だなあと思う。ぐるぐるした思いに共感しすぎて、読んでいて苦しくなってしまったほどである。

 

シリーズ三作目になるけれど、アンちゃんの成長がよく感じられる一冊になっている。

 

この本を読んだらなんだか生八つ橋が食べたくなってきた。あんこって、いろんな味を再現できて、ドラえもんみたいな食べ物だと思う。ちなみにわたしはマンゴー味の生八つ橋がすき。笑

 

 

物事のルーツを考えることの大切さを、いつも教えてくれる作品である。

わたしもこれから研究室活動が増えていくけれど、なぜ?を大切にして実験していきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

No.55 きらきら眼鏡

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きらきら眼鏡

著者:森沢明夫

おすすめ度:★★★★★

 

 

「自分の人生を愛せないと嘆くなら、愛せるように自分が生きるしかない。他に何ができる?」

 

どちらかと言えば、厳しい言葉だと思う。

「自分」ではなく、「自分の人生」という表現には、変えることのできない運命的要素が含まれている気がする。

でも、変えることのできない部分も、自分の人生なのだから、愛せるようになるにはどう生きるべきか考えなさい、と言われていると感じた。

 

 

これは、家族だった猫を失った明海が、古本屋で「死を輝かせる生き方」という本を買うことで、ある女性と出会い、惹かれていく物語である。

 

 

いるだけで周りを笑顔にさせるような彼女は、一年くらい前から「自分の視界に入ったものすべてをきらきら輝いたものにしてくれる眼鏡」をかけることにしたそうである。そうすることで、経験したことから得られた感情を丁寧に味わうことができる、という。

 

でも、そんな彼女には、もうすぐ亡くなってしまう恋人がいて……

 

 

 

うまくいかないと、嘆いてばかりではいけない。自分の人生を愛せるように、きらきら眼鏡をかけることにした彼女を、見習いたい。