ガソリン生活
著者:伊坂幸太郎
おすすめ度:★★★★☆
読み始めた時、物語が車の視点で進んでいったので、びっくりぽんだった。
「デミオ」という緑色の車が主人公なのだけれど、
走りゆく車同士が喋り、車は車内の会話を盗み聞きし、人間の噂話について人間よりも早くキャッチしているようだった。
もちろん車だけでなく、人間も登場する。
わたしのお気に入りは、頭がとってもよく切れる
小学5年生の享である。
「デミオ」率いる(?)望月家の末っ子である。
かわいげがないけれど、そこがかわいい。
人間たちは、車に自分たちの話を聞かれているとは知らず、なんでも喋る。でも実は、全部聞かれているとしたら。日頃の感謝を、運転態度に表しておくだけじゃなく、いつもありがとう、と言ってみると何か反応があるかも知れない。