麦本三歩の好きなもの
著者:住野よる
おすすめ度:★★★★★
三歩ちゃんはかわいい。
物語の主人公をかわいいなんて思ったことあったっけ、と考えるが、
無いか、
あっても数えるくらいだったと思う。
三歩ちゃんは、よく言葉を噛んでしまうし、一人暮らしならではのだらしないところもあるし、職場の人を(心の中で)自分だけの愛称で呼んでしまうし、どこでも歩いて行くし、散歩途中のたい焼きで幸せになれるし、とにかく愛らしい。こんな子がいたら絶対友達になるのに!!
______三歩は今日も図書館で働いている。怒られながら、傷つきながら、それでも元気に働いている。いつか彼の気持ちを分かる日が来るのかもしれない。でも、それを想像しながら生きていくのは自分には難しい。今は自分の中にある狭い世界のことを一生懸命やることにした。それくらいしか出来ない。______
三歩ちゃんは、三歩ちゃんなりに、できる限りのことを一生懸命やることができる子だと、全てを読み終えて思った。
このお話での、「彼」からのメールへの返信がそれを物語っている。
誰かが困っているとき、
自分にできることは何か。
人によって求めているものは違うし、自分で解決したいと思う人だっているだろう。
私は今、それを見極める心をつくっていく時期にあるのかな、と思ってみたりする。