ふたご
著者:藤崎彩織
おすすめ度:★★★☆☆
ふたごのような人って、どんな人だろう。
勝手なイメージとしては、似ていたり、同じ時に同じことを思ったりする人のことなのかな、とおもうけれど、それは本当のふたごにならないとわからない。
夏子と月島は、互いのことをふたごのような存在だと思っている。何度も喧嘩し、傷つけあい、時々優しくする。どうしても離れられない。
著者は、友人よりも、恋人よりも、大切な存在を表す言葉として、「ふたご」を使ったのだろうなあ、とおもう。
あとがきで、この本ができるまで5年かかったと書いてあった。バンド「SEKAI NO OWARI」のピアノを担当する中で、本を書くということは大変だっただろう。でも、著者にしか描けない、ピアノを弾く時の苦悩が夏子を通して見え、ピアノを習っていたことがあるわたしにとっては、練習したくない時の気持ちがリアルだった。
なかなか暗い感じの話ではあったけれど、最後は少し希望を持てた。
話題になっていた本なので、一度読んでみてほしいなあ、とおもう。