夢幻花
著者:東野圭吾
おすすめ度:★★★★★
久しぶりに東野圭吾の作品を読んだ。
私が東野圭吾のミステリーを始めて読んだのは、
確か小学5年生の時だった。
とても大人っぽい同級生がいて、頭が良くて、いつも本を読んでいるような子だった。
どの本を読むときも、同じ布製の可愛らしいブックカバーをしていて、「何読んでるの」と聞いたら東野圭吾の本を教えてくれた。
その時まで私は「大人が読むような難しい本」を読んだことがなかったので、その子は私を「難しい本の世界」に導いてくれた。大袈裟に言えば。笑
東野圭吾は「東野さん」ではなく、どの人にとっても「東野圭吾」である。一見敬を省略しているようだけれど、この呼び方が1番の敬いを見せるのではないかと思っている。それくらいのミステリー界の偉人。
この「夢幻花」も、他の作品と同様にすらすら〜と読める。続きが気になる、ページをめくる手がまるで機械化されているように止まらない!、というやつである。
東野圭吾のミステリーは、ただ単にミステリーであるだけではなく、その事件の裏に隠された人たちの物語が、うまく私たちを引き込んでいるような感じがする。映画で見たら、感動してしまうような。この作品もそういうミステリーである。
ミステリーを、ただ事件が起きるだけ、と捉えている人にぜひ読んでほしいなあ、と思った。