出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
著者:花田菜々子
おすすめ度:★★★★☆
______助けたい、人の役に立ちたいという気持ちだけではなかなか具体的に人に関わることは難しいし、つらい気持ちを抱えている人に「早く元気になってください」とか「これからいいことありますよ」というのは、心から思っていてもなかなか言えない言葉だ。ましてや知らない人になんて。でも本を介してなら、気持ちを押し付けることなくこんなふうに知らない人と気持ちを交換できたりする_____
花田さんが、母を亡くした人に本を選んであげたときの気持ちである。
ちょっと奇抜なタイトルの本だけれど、ぜひ読んでみてほしい本のひとつ。
花田さんはヴィレッジバンガードで店長などもしてきた人なのだけれど、ヴィレバンが本ではなく雑貨をメインに販売しようという方針を持っていた。
店長である花田さんは本を前に売り出せないことがやるせなくて、励ましに来てくれた以前の上司に申し訳なく思い、次上司が来る時までに、30冊のおすすめの本を選びプレゼンする。
上司は7冊の本を買ってくれる。
自分がその人のためを思ってプレゼンしたものを買ってくれる。とても嬉しい経験だっただろうなあ、と思う。だからこの本にもエピソードとして載っているのだろう。
知り合いじゃないから、うまくいかないこともあった。でも、知り合いじゃないからこそ、本という介在が良い役目を果たしたこともある。
私も、この100冊チャレンジが終わったら、
自分を支えてくれるものを相棒にして、また新しくわくわくすることに挑戦したい。