大学生の本100冊アウトプット

本を読まないと言われる大学生のひとりとして、100冊アウトプットしてみようと思い始めました。

No.27 もういちど生まれる

 

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もういちど生まれる

著者:朝井リョウ

おすすめ度:★★★★★

 

 

朝井さんの物語は、一文一文を丁寧に、じっくり読みたくなる。

エッセイで、

「おしりの穴が二つある!!」

などと騒いでいた人が書いた文章だとはとても思えない(失礼)が、

本人の繊細さのようなものが物語の文章には表れているなあ、と思った。

 

エッセイの中で、著者はバレーボールのチームに所属している、

という内容が書いてあった。

同じチームの人たちからは、「根暗でどうしようもない」みたいなことを

言われたことがある、

と記してあったが、その根暗な部分は、

ある意味他人のことを意識する繊細な部分があるからであって、

他人のことを考えられない人に、人を笑わせるようなエッセイなど

書くことができない、

と私は思う。

 

そして、物語でもエッセイでも、

「人のことを考えている文章」

だからそれに対等の熱量で読みたくなるのではないか、

と考える。

 

 

「もういちど生まれる」は、私の好きな人物同士がどこかでつながっている

短編集なのだけれど、これがどれも若者の葛藤をうまく描いている。

 

短編集に出てくる主人公とほぼ同年代の私にとっては、

わかりすぎるものがあった。

 

 

自分はこうやって生きているけど、はたして本当にそれでいいのか、

と悩んでいる人に読んで欲しいなあ、と思う。