大学生の本100冊アウトプット

本を読まないと言われる大学生のひとりとして、100冊アウトプットしてみようと思い始めました。

No.59 教室に並んだ背表紙

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教室に並んだ背表紙

著者:相沢沙呼

おすすめ度:★★★★☆

 

 

買おうかどうしようか悩んでやめた本だったんだけれど、学校図書館の新刊本コーナーに並べられたまっさらな本たちの中にこの本を見つけて、速攻で借りた。大好きだぜ、学校図書館……

 

 

学校生活の中で何かしらの悩みを抱えている女子中学生が主人公の連作短編集。

 

どのお話にも、「しおり先生」というお茶目な図書室の先生が出てくるのだけれど、この先生がいい味を出しているのだ。

 

 

『先生は、自分が過ごした灰色の青春を、少しだけ誇らしく思う。辛くて苦しい十代を過ごした経験があるからこそ、できることって、きっとあるんだ。』

 

 

この言葉、けっこう救われる人がいるのではないかなぁ。

 

 

この本に出てくる女の子で、物語に救われる子がいるように、私はこの本に、灰色とまではいかないけれど、そこまでキラキラしていなかった中高時代を、それでも大丈夫だよ、と言われた気がした。

 

 

どれだけ暗い色でも、これからその上にラメラメをトッピングしていけるような人生であるならば、いいと思うのだ。

 

 

本が好きな子や、学校生活に悩む中高生に読んでほしい!

 

 

 

 

 

 

No.58 麦本三歩の好きなもの 第二集

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麦本三歩の好きなもの 第二集

著者:住野よる

おすすめ度:★★★☆☆

 

 

2月25日木曜日、発売日にこの本を買いに書店へ行った。発売日に買うなんて、昔月刊の少女漫画誌を買っていた以来ではないだろうか。

思えばちゃお、なかよし、りぼん、別冊マーガレットなどとともに私は成長してきた。笑

あの頃、発売日の夜はいつも、ご飯ができたと母に呼ばれても漫画に夢中で、なかなか食卓に行けなかった。

何かに夢中だった頃が懐かしい。

 

 

話は脱線してしまったけれど、麦本三歩ちゃん。

相変わらず噛みに噛みまくって、本当に23歳なのか?という感じだったけれど、もうすぐ22歳になり、「麦本三歩の好きなもの 第三集」が出るとすればその頃には私も三歩ちゃんの歳を越しているのだろうなと思うと、しっかりせねば…と思う。

 

 

三歩ちゃんのちょっと考えすぎる部分は、私としては共感できすぎるのだけれど、その分人が気付けない部分に三歩ちゃんは気がつくことができる。

いいことか、悪いことか、それは人によって捉え方次第だけれど、それもアイデンティティであると私は思う。

もうちょっと気楽に生きる三歩ちゃんが見たかったのでおすすめ度は★★★☆☆!

 

 

ところで、新しい本の匂いってなんでこんなにいい匂いなんだろう。図書館の本の古いような匂いも好きだけど、この本、めっちゃいい匂いする。笑

麦本三歩の好きなもの 第二集、本の匂いについて言うとおすすめ度★★★★★だなぁ。

 

 

 

No.57 星の子

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星の子

著者:今村夏子

おすすめ度:★★★★☆

 

 

芦田愛菜さんが主演で、映画化されたこの作品。

著者の本は、はっきり言ってしまうと今までは自分にとって読みにくかった。

でも、芦田さんがこの作品のインタビューを受けた時に、

 

「信じる」ことについて深く考えた作品である。誰かを「信じる」ことというのは、その人の側面的な部分が見えた時に、それもこの人なんだと受け止めることが信じることなのかな、と思った

 

という答え方をしていて、「信じる」ことについてこんな答えを引き出せる物語があるとすれば、読まなければならない!と謎の使命感を感じて、この本を読んでみようと思った。

 

両親が、体の弱い自分のために「力のある水」の効力を信じて、それ中心の生活を送る中、主人公は成長していく。

両親からは十分な愛情を受けていたが、それゆえに主人公の心は自分の中の「両親が妄信している水」に対する懐疑心と、両親を信じたい気持ちの間で揺れ動く。

 

 

最後、両親と主人公が流れ星を見るシーンで終わるのだけれど、いろんな解釈ができる終わり方で、読む人の心にそれぞれの余韻を残すと思う。

 

 

家族って、やっぱりかけがえのないもので、どんな形でもやっぱり家族なんだなぁ、と思うことができた。

 

読む価値あり!!の本である。