大学生の本100冊アウトプット

本を読まないと言われる大学生のひとりとして、100冊アウトプットしてみようと思い始めました。

No.76 愛されなくても別に

愛されなくても別に

著者:武田綾乃

おすすめ度:★★★★★



暇である。やらなければいけないことはあるのに暇である。

 

例の如く、ブックオフにぶらぶら出かけて本を5冊も(5冊も‼️)買ってきてしまった。

 

そのうちのひとつ。

なんだか表紙が若い子向け(まあ自分も若い子に入るのかもしれないけど)な気がして手に取ってこなかったけど、パラパラめくって読んでみたらその読みやすそうなこと。

帰ってきて、時間を忘れて3時間くらいぶっ続けで読んで読了。

 

家庭環境に問題を抱えた女の子ふたりが出会って、愛ってなんだ?という問いを抱えながら一緒に暮らすという内容。

私はこんな壮絶な家庭環境ではないけど、こういう風に寄り添ってくれる友だちがいたらどんなにいいか、と思う。

友だちがいないわけではないけど、どこまで踏み込んでいいのか、どこまで打ち明けていいのか悩む人は多いと思う。

 

このふたりは、もう隠すものがないほどの話を最初にしてしまっているからこそ、悩むことなく相手と接することができたのかなあと思う。

 

あとがきでも書かれていたけれど、家族から愛されていなくても自分から誰かを愛することができれば孤独から抜け出すことができる気がする。家庭環境が全てじゃないことを教えてくれる、視野を広げさせてくれる小説なので、ぜひ読んでみてほしい。

 

こんな人におすすめ!

・家族とうまくいっていない人

・大学生の女の子

・一気読みできる本を読みたい人

 

 

No.75 いつもの木曜日

いつもの木曜日

著者:青山美智子

おすすめ度:★★★★☆



『闇雲に訪れる不安に飲み込まれないよう、おぼつかない足元に踏ん張る力をくれるのは、ただただ「好き」という気持ちだ。』

 

いつからか、先の予定に不安を感じたり終わってしまったことに後悔することが多くなったように感じる。昔のように、たとえば小学生のころ、学校の授業を楽しく受けて、放課後は友達の家に集まって、宿題をした後に暗くなるまで遊んで、今このとき!に集中するように生活できたら、どれくらいいいだろう。

 

自分も変わってしまったのだろうけど、大人になるということはリスクを考えたり、起きたことを反省して今後どうしたらいいか考えたりする必要があって、だからソワソワくよくよする時間が必要なのだと思う。それを乗り越えた先で強くなれる。

 

一方で、いつも大人である必要はなくて、普段は大人でいるからこそ、自分の安らげる場所で好きなことに一生懸命になる時間も必要なのだ。寝るもよし。食べるもよし。趣味に没頭するもよし。

好きなことは多ければ多いほどいい。

 

この本は絵本のような短編集で、疲れている時に好きな箇所を気軽に読める。

・疲れている人

・一息つきたい人

・気軽に読書したい人

におすすめ!

No.74 光のとこにいてね

光のとこにいてね

著者:一穂ミチ

おすすめ度:★★★★☆



自分以外の、唯一無二の存在がいることはどんなに心強いだろうと思う。

この人のためならなんでもできる。自分を犠牲にしているという感覚すらないのはどんな感じなのだろうか。

 

光のとこにいてね、と言った側が家族も何もかも手放そうとした時に、その唯一無二の存在が光に照らされながら一生懸命迎えに来る様子が見えるところの描写がとてつもなくよかった。

 

パッヘルベルのカノンがこの本の中でちょくちょく出てくるので、今わたしもこれを書きながら聴いている。

「カノン」というのは一つのメロディを、複数のパートが追いかけるように演奏していく演奏様式の事らしく、終わろうとしなければいつまでも続かせることができる。

このふたりの関係性が、途切れながらもいつまでも続くことを示す音楽だったら嬉しいなと思う。